アサリの秘密と危機:潮干狩りの主役をもっと知ろう
魚介類を紹介するシリーズが始まりました!
今回の主人公は「アサリ」です。
お味噌汁に絶対入ってくるアサリ。潮干狩りの定番中の定番。
私たちと近すぎるくらい身近に感じる「アサリ」について、みなさんはどのくらいその生態についてご存知でしょうか。
アサリやシジミ等の貝類は、貝殻の長さ「殻長(かくちょう)」で大きさを表します。
3~4cmが一般的ですが、中には6cmになる大物もいます。
世界的に見ると、アサリは主に日本や朝鮮半島、フィリピン、中国等のアジア諸国の海に分布しています。
日本では干潟等の砂泥や底が砂地になっている海域に生息していますが、食用に適さない稚貝は砂地、
成長した個体は干潟のような砂泥にいることが多いです。
また、「汽水」という海水と淡水がぶつかり合って塩分濃度が低くなっているような場所を好みます。
ホタテのように砂上にいるのではなく、砂の中、深さ5~20cmにいることが多いです。
アサリは産卵によって殖える生き物で、春と秋の2回繁殖期があります。
普段は、海中や砂泥の中に含まれている有機物や珪藻類を摂取していますが、
孵化したての砂底で生活していない時期のアサリは植物性プランクトンを食べています。
名前の由来は諸説ありますが、2つほど紹介します。
1.「漁る(あさる)」から来ている説
「漁る」の意味は元々食料を求めて野山や海辺を探し回ること(求食=アサリ)です。
干潟を漁ると容易にとれる貝ということで「求食貝」となったというのが一般的です。
2.浅いところの砂にいる貝から来ている説
昔から砂の中にいる貝を「砂利(さり)」と言っていました。
その「砂利」と「浅い」が合体して「浅利」となったという説があります。
また、漢字の「鯏」は砂に潜っていることから「利(利=土を掘り起こす)」を旁にあてたそうです。
私たちの食生活を支えてきてくれたアサリですが、年々漁獲量が減っています。
1980年代には約14万トンありましたが、近年では1トンにも満たないほどに激減しています。
その原因は、埋め立てや水質汚染による生息環境の悪化や乱獲、天敵であるアカエイやトビエイ、
ツメダイによる食害等があげられています。
今ではアサリを守り、殖やすために人口干潟を作ったり養殖をすることで、
何とか国産アサリを維持していますが、温暖化の影響で殖えたエイやツメタガイによる被害はかなり深刻なものとなっています。
今回は身近な存在、「アサリ」について紹介させていただきました。
先ほども書きましたが、潮干狩りにいってアサリを獲る際は必ず、食べる分だけを獲るようにしましょう。
それではまた次回、お会いしましょう。
令和2年度第3次補正 事業再構築により作成