海のジュエリー、ヒゲと旨味の秘密
魚を紹介するシリーズが始まりました!
今回の主人公は「ムール貝」です。
ムール貝はフランスでのイガイ類の総称の呼び名で、国内の市場に流通しているモノは「ムラサキイガイ」「イガイ」です。
市場に流通しているほとんどがムラサキイガイで、イガイは流通量がとても少なく各産地で消費されている程度です。
また、ムール貝の寿命は1年半から2年ととても短いです。
ムール貝は北海道から九州までの沿岸に広く分布しており、水深10メートル程度の比較的浅い岩礁に足糸を固定し、デトリタス(微生物群)やプランクトンを食べて生活しています。
また、ムール貝の産卵期は冬から春にかけてです。
ここでみなさまは、ムール貝から生えてるもじゃもじゃの毛をご存知でしょうか。
正体は「足糸(そくし)」と呼ばれる、ムール貝の体の一部で、多少引っ張っても取れません。
この毛の処理の仕方は、まず水を張ったボールにムール貝を入れ3〜5分ほどおき、浮いてきたゴミなどを取り除きます。
足糸を、貝の幅が広くなっている方へ、貝の口の隙間に沿って引っ張り取り除きます。
貝の表面に付着したゴミなどをタワシなどでこすり落とします。
最後にもう一度、水を張ったボールに入れて両手で揉むように洗ってザルに移します。
ムール貝のヒゲ、もとい足糸は、多少の引っ張りでは取れません。
取り方のコツは、貝の口が開くほうに向かって、隙間に沿って引っぱることです。
足糸の役割は、岩などに漂着するための「糸のような足」というわけです。
ムール貝は岩にくっついて暮らしていて、
潮の満ち引きなど流れに晒されるシーンが多いので、体を固定する機能が発達したのでしょう。
余談ですが、足糸は食べられません。毒はないので安心してください。
ムール貝はアミノ酸が豊富でとても旨味の強い貝です。
・タンパク質(筋肉細胞の維持、免疫力高上)
・ビタミンA(皮膚や粘膜を正常に保つ)
・ビタミンB群(神経の機能の正常化)
・ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)
・ビタミンE(抗酸化作用)
・葉酸(細胞の生まれ変わりを助ける働き)
・リン(歯や骨を丈夫にする)
・鉄分(貧血の防止)
・ナイアシン(血行促進、冷え性改善)
・マグネシウム(カラダの代謝を促す)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)
・グルタミン酸(興奮系の伝達物質を分泌させる)
・グリシン(肌のハリと弾力を保つ)
・ロイシン(筋肉のエネルギー源)
・リジン(カラダの免疫力を高める)
いかがでしょうか。
「ムール貝」を紹介させていただきました。
また次回お会いしましょう!
令和2年度第3次補正 事業再構築により作成