甘エビの秘密

甘エビの秘密

魚を紹介するシリーズが始まりました!

今回の主人公は「甘エビ」です。

 

実はですね、甘えびという名前は、正式名称ではありません。
正式にはホッコクアカエビ(北国赤海老 )といいます。

また甘エビは日本だけではなく世界中にも広く流通しています。
そのため英語ではPandalus eousという正式名称があります。

 

甘エビの名前の由来は、そのまま味の甘さからきています。
正式にはホッコクアカエビを甘エビと呼び始めたのは甘エビの産地である北陸の石川県や富山県だと言われています。

 

甘エビはタラバエビ科に属するエビの一種です。
水深150~500mという深い海底の泥底に多く生息し底生の小動物や動物の死骸などの有機物を食べています。

寿命は11年です。
メスの甘エビの産卵期は3~4月で6歳で1回目の産卵をし、メスの甘エビは10ヶ月間卵をお腹に抱えます。
卵が孵った後、翌3~4月に2回目の産卵をします。甘エビはこれを繰り返し、寿命まで3回産卵します。

年間を通して、かごなわ漁や底びき網漁で漁獲され、特に水温が低下する晩秋から春先にかけての時期が旬と言われます。

中でも鮮度が良く、真っ赤な殻と灰緑色(又は)灰青色(個体により差がある))の卵を抱えたメスは、
その見た目に加え、ねっとりとした身と卵の食感から、ひと際おいしいとされ、珍重されます。

 

甘エビの甘みは、グリシン、アラニン、プロリンといった甘みを呈する遊離アミノ酸が多いことによります。
この他、ビタミンEや高脂血症や肝機能の改善作用があると言われるタウリンが比較的多く含まれています。

とても甘くておいしい甘エビ。驚きの生態があるのですがそれは…

 

 

性転換、です。
生まれてから3年くらいはオスでもメスでもない、つまり性別を持たない生き物として生きています。
そして4年目に入ると甘エビはオスになるんです。
オスになった甘エビはメスと交尾します。で交尾を終えたオスは、5~6年目くらいから今度はメスになるんです。
そしてメスになった甘エビは今度は若いオスと繁殖行動をするわけです。(甘エビの寿命は約11年)

ちなみに市場に出回る甘エビは若い甘エビですので、すべてオスということになります。
このころの甘エビが一番美味しいからなんですね。

 

ここで余談ですが、性転換する生き物って結構いてるんです。
クマノミはオスからメスに性転換しますし、ベラやブダイ、クロダイも性転換することで有名な魚たちです。

 

鮮度がいい甘エビの見分け方を伝授しましょう。
ずばり!頭でわかります。鮮度が落ちると頭の付け根が緩み、グラつきます。
頭がない甘エビを選ぶ際は、尾が黒くなっていないものが良いです。
また、甘エビの鮮度が落ちるにつれ、身が痩せハリが無くなるるため、殻と身の間に隙間がないかも大切です。

 

いかがでしたでしょうか。今回は「甘エビ」について紹介いたしました。

また次回お会いしましょう!

 

令和2年度第3次補正 事業再構築により作成