アジの旬を味わう:歴史、栄養、そして独自の生態に迫る

アジの旬を味わう:歴史、栄養、そして独自の生態に迫る

魚を紹介するシリーズが始まりました!

今回の主人公は「アジ」です。

刺身で食べてもフライで食べてもおいしい万能魚の「アジ」

 

「鯵」という漢字の由来は、アジの旬が旧暦の3月(太陽暦の5月)であることです。

 

アジは寒冷地を除く海域世界中どこにでも生息しています。

アジの種類は150種類以上にも及ぶと言われており、日本で最も食べられているアジはマアジです。

大きい魚から身を守るため、普段から大きな群れで集団行動しています。

アジのエサは小エビや小魚がメインですが動物性タンパクであればどんな生物でも食べて生活しています。

 

アジは赤身魚です。身が白いので意外な感じもしますが、赤身魚白身魚の分類はヘモグロビンとミオグロビンの含有量で決まっています。

また、アジをはじめとする青魚のほとんどが赤身魚に分類されます。

 

・DHA(脳細胞の活性化や脳の発達に働きかける)
・EPA(血液をサラサラにし、中性脂肪を下げる)
・カルシウム(骨を強くし骨粗鬆症を予防)
・カリウム(細胞内の浸透圧を調整、むくみ防止)

 

栄養成分が豊富ですね。
また、アジを干物にすることでうま味と栄養価が2倍以上に増えると言われています。

 

アジの寿命についてはいろいろな説がありますが、概ね、5年から10年程度とされています。

アジの寿命は耳石を調べることで測定することができます。

魚の耳石には毎日一本ずつ線が刻まれていき、木の年輪のような輪紋(りんもん)とよばれるリング状の模様ができます。
この輪紋を数えることで、年齢を確認することができます。
また耳石の大きさは魚が成長するにつれて大きくなっていきますが、魚の大きさには比例しません。
アジの耳石の大きさもマグロの耳石の大きさも、成魚であれば5ミリほどです。

 

生息域は寒冷地を除くほぼ世界中といっていいくらい、さまざまな海域にアジはいます。
アジは卵から孵化すると潮の流れに乗って北上していきます。
しかし、アジは低水温が苦手な魚なのであまり寒いエリアでは見かけません。
そして、冬が近づいて水温が低下してくると、再び南方に回遊していきます。

また夜明けや日没の時間帯には沿岸近くの浅いところに集まってきて、日中や夜間は沖合の深いところにいるので、その習性を利用して漁獲を行っています。

 

アジは光に集まってくるという走光性という習性があります。
そのため、港などで常夜灯が点いているところでは、夜でもアジが集まってきます。
ただし、光れば何でもよいという訳でもなくて、あまり強すぎる光をアジは好みません。
そのため、漁や釣りなどで夜間にアジを集めるならば、適度な強さの光を海面に当てるよう、工夫する必要があります。

 

アジの稚魚は小さく弱いため敵に狙われやすいです。
じぶんの身を守るため、海藻やクラゲのなかに身を隠しながら成長していきます。
体長5センチほどまで成長すると、群れをつくり回遊するようになります。

 

アジは昔からとても親しみのある魚で、お刺身でも煮ても焼いても漬けてもとても美味しい魚です。

それではまた次回、お会いしましょう。

 

令和2年度第3次補正 事業再構築により作成